AdobeとComputational Photography

 先日、Focused Plenoptic Cameraの開発者であるTodor Georgiev氏がAdobe Systems社からQualcomm社に移ったと書きました。私が見る限りでは、同氏はAdobe Systems社のPlenoptic Camera開発の中心人物のようなので、同社はこの分野から少し距離を置くのかもしれません。(Computational Photographyからという意味ではなく、そのサブセットとしてのLight Field Photographyからという意図です。)

 この件でふと次のエントリを思い出したので紹介しておきます。

もう2年以上前のもので、上記した私の予想が正しければ今更感がありますが、コンピュータ・ソフトウェア会社であるAdobe Systems社が何故この分野に力を入れているか(いたか)を考える上で良い材料になるかと思います。
 FrankencameraStanford大学で開発されているComputational Photographyの研究用途を主目的とするオープンソースのカメラ・プラットフォームのことで、Adobe Systems社もスポンサーに名を連ねています。仮にAdobe Systems社がこのような共通のカメラ・プラットフォームを足がかりにビジネスの拡大を目論んでいたのだとすれば、昨今のコンパクトデジカメの急激な低価格化やスマートフォンの躍進によって旨みが薄れてしまい、これがハードウェアから手を引くきっかけになったとも考えられそうです。まぁ、様々なアプリを搭載できるスマートフォンそのものが新しいカメラ・プラットフォームとも言えるのかもしれません。デジタル一眼レフカメラスマートフォンから操作できるアプリも公開されていますし。